今年も暑い季節がやってきた。
避暑地としては海や山が定番だが、洞窟探検で一時の涼を取るのも乙である。
福島の田村市大滝根山の山麓にあぶくま鍾乳洞がある。
2年ほど前に訪れた時をレポートする。
その日はやや汗ばむ初夏のころ、当時はまっていた福島の宝探しの旅で田村市を訪れた際、あぶくま洞の案内板が目に入り、時間もあったので訪れることにした。
踏切を超え歓迎のアーチをくぐり坂道を登り10分ほど進むと駐車場に着いた。
車を降りて山側を見ると、視界いっぱいの石灰岩の切り立った切羽。高さ140mあるそうで自然の雄大さを感じる。
坂道を登っていくと建物が見えてきた。入り口で入洞券を購入し、いざ洞窟へ階段をどんどん進み、ついに洞窟に入る。ちょっと湿ってひんやりとした空気が迎え入れてくれた。まずは外の明るさから目を鳴らすためかきれいにデコレーションされたイルミネーションの木や川がキラキラとしていた。それを過ぎると急に暗く静かになり、自分の足音とどこかで流れている水の音だけになる。ところどころの特徴的な石には案内板があり、解説がされている。つらら状やタケノコ状、皿形だけでなく格子状やカーテン状のものもあり、さらに滝の水が流れるようなものまであり自然の造形に驚かされる。
道中追加料金がいるが探検コースという追加コースがある。
パスを係員に見せ扉の先に進むと、これまでと違い人ひとりが進める狭い道となる。ときに腰をかがめ、ときにおなかを岩にこすりながら進んでいく。まさに洞窟探検。
ライトアップされた川があったが、数m先は光が届かず漆黒となっておりぞくっとした。螺旋階段を上ると探検コースは終わり通常コースと合流する。
するとこの洞窟内で一番の空洞なのかとても解放感のある場所についた。面白い形の鍾乳石はライトアップされ案内板が設置されている。進んでは止まり自然の造形を楽しみ、また進む。水滴の当たっている鍾乳石があった。これは今もゆっくりと造形されている最中なのかと思うとわくわくしてくる。ワインセラーがおいてあり石の世界から急に時間が現代に呼び戻される。最後に天井が低いが奥行きのある空間で10分程度の光のショーをみて出口に向かう。
夏の始まりのまぶしさと暑さがまとわりつき探検が終了した。